1-3 問題の祠へ! 調査開始・・・できない?

■問題の祠へ! 調査開始・・・できない?

GM  :では、前回の続きです。ここまでの流れをまとめますね。

     君たちは街の協議会から依頼を受けて、神官家のジュリアと従者のルキウスによる祠の調査の護衛を行っています。協議会的には、大した危険がないものと考えて、レベル1の冒険者である君たちに依頼をしたんだけど、その調査を行う必要性を訴えていた神官家のジュリアには気になることがありそうな感じです。

     それで、一行が祠のある小島に降り立ったところから、今回はスタートです。

ル・マン:確か、ジュリアが「あっ」とか気になるようなことをつぶやいて終わったんだよね。

GM  :そう。一行が船を降りたところは、野原と岩場が混在したような海岸で、海に突き出したように設置されている木製の桟橋です。なんせ無人島なので立派な道はないけど、一応整えられた小道が島の奥の方に続いています。

マリー :砂浜なのかと思ってたわ。

チョイス:俺も。

GM  :島といっても、そんな南国のイメージではなくて、瀬戸内海に浮かぶ小さな無人島のようなものをイメージしてください。小船から降りたとたん、ジュリアが奥に向って走り出します。走り出した先の方には木が生い茂った小山があります。その中腹は岩が密集した高台になっていて、石造りの小さな建物があるのが見えます。

               従者のルキウスは、「お、お嬢様、お待ちください!」とあわてているけど、小舟に残る漁師にこの後の指示を出さないといけないので、ジュリアを追いかけるのが遅れてしまいます。

チョイス:すぐ追いかけるよ。

ル・マン:同じく。船の方はルキウスに任せて、周囲を気にしながらジュリアを追いかける。

マリー :彼女の護衛だものね。

GM  :了解。皆が、ジュリアを追いかけます。ル・マンは周囲を警戒しながら、だね。その小道の先には鳥居のような門があり、それを潜り抜けてしばらく行ったところで、ジュリアが立ち止まって祠の方を見上げているのに追いつきます。

チョイス:どうした!

マリー :ジュリアに「どうしたの?」って聞きます。

ル・マン:僕は周囲警戒中。

GM  :「階段が壊されておるのだ・・・」とジュリアが指さします。祠はかなり切り立った高台の中腹にあります。祠がある高台はかなり高いところにあって、木製の階段が今の非常階段のように、何度も折り返すようにして地面まで降りてくるようになっているんだけど、その階段が何者かによって一番下のところからかなり上の方まで焼かれてしまって、使い物にならなくなっています。

ル・マン:え、それは、上の祠に上がれないということ?

GM  :地面からかなり上の方までは完全に焼失しているし、さらに上の方も真っ黒な燃えカスがかろうじて残っているような状態。力を加えれば、ボロッと崩れてきそうですね。ジュリアは、「階段が、階段が・・・・」と震えているけど、何かに急に気が付いたように、マリーの腕をつかみます。

マリー :え、わたし?

GM  :「そう、マリーさんなのだ! マリーさんは魔法使いでしょう? マリーさんが私に魔法をかけて祠まで飛ばしてくれぬか?」と、マリーの顔を見上げてすがってきます。

チョイス:おおー、そうだよ、魔法だよ魔法!

マリー :え、とー。ごめんねぇ・・・。わたしが今使える魔法はこんな感じで・・・。(と、キャラクターシートを皆に見せる。)

チョイス、ル・マン:ああー。(一同、落胆した様子で声を上げる。マリーの選択している魔法は、見事に攻撃系のものばかりだった)

マリー :マスター、「ごめんね、ジュリア、その魔法はわたし使えないのよ」と謝ります。

GM  :マリーの言葉を聞いて、ジュリアの目に涙がたまってくる。「でも、でも、おかしいのだ。祠が、祠が、おかしいのだ・・・」と、少しパニック状態ですね。

チョイス:あーもう、泣くな。(少し怒ったように言う) マスター、俺が上まで壁を昇る!

ル・マン:その祠のあるところまで、どれくらい高さがあるのかな。チョイスが上まで登ってロープを垂らすとして、僕らが持っているロープで長さは足りそう?

GM  :その祠は、大きく飛び出した一枚岩の上にある。かなり高いところにあるし、足場もないので、下からは岩壁を登るのはとても無理そうです。ロープ自体は冒険者の基本装備として持っているけどね。

マリー :例えば、ロープを矢に結び付けてその祠まで飛ばして・・・みたいな方法はできそう?

GM  :(ノートで手元を隠してサイコロを転がす、コロコロ。。。9) いや、そもそも石造りの祠だし、上に向けて矢を放つことになるしで、祠に突き刺さった矢から垂れ下がるロープをたどって登る、ていうことは無理だね。

チョイス:あー何かないのか!

GM  :みんなから少し遅れて、ようやくルキウスが追い付いてきました。そのルキウスにジュリアが「階段が、こわ、壊されて・・」と焦りながら状況を説明します。

ル・マン:ルキウスも従者として何回か来たことあるんだよね。祠に行く別の手段が何かないかな。

GM  :「実は・・・」と、ルキウスはジュリアの方を見ながら言葉を濁します。もちろん、ジュリアの方は、もう、気が気でない感じなんで、「なんだ、何かあるなら、教えるのだ!」とルキウスを急かし立てます。ルキウスは、少し考えて「わかりました」と君たちの方に向き直ります。

チョイス:なにかあるのか、ルキウス。

GM  :ルキウスは君たちに「これからの話はくれぐれもご内密にお願いいたします」と前置きして話し始めます。

     話の内容をかいつまんで説明すると、まず、あの祠自体にご神体が祭ってあるわけではなく、祠は入り口である。祠の奥の岸壁に洞窟があって、ご神体とされるものはその洞窟の奥にある神域に安置されている。祠から洞窟の中に入ることができるのは神官家でも巫女とされる女性のみ。今回、祠の調査に年少のジュリアが派遣されたのも、今、この街で調査に行くことができる巫女がジュリアだけだったから。

               それで、ルキウスの家は代々神官家に仕えているのだが、実は、「ご神体が祭られた当初は祠は無くて、後から作られたものだ」ということを先達から聞いたことがある。もともとは別の洞窟から奥の神域に入っていったのだけれど、その洞窟が何かと危険になってきたので、洞窟の枝分かれしたところを広げて、人が通れるように作った出入り口があの祠らしい。

ル・マン:えーと、つまり、その昔使われていた洞窟から神域に行けるかも、ということか。祠が単なる入り口に過ぎないなら、別にこのルートにこだわる必要もないな。調査したいのは、入り口でなく神域なんだろう?

GM  :そのとおりです。祠は入り口で、大事なのはその奥の神域だからね。

マリー :そうね。ジュリアはその話は知っていたのかしら。

GM  :いや、彼女も別ルートがあるというのは初耳のようだ。ルキウスによると、祠ができてからは、そちらのルートしか使われていないので、今の神官家にこのことを知っている人がいるかどうかわからないそうだ。従者はいろいろお世話をする側だから、昔はこうだった的な話が残っているらしい。

チョイス:知っていたら、そんなに慌てたりしなかっただろうさ。よし、じゃあ、昔使われてたルートから、ジュリアを神域とやらまで連れて行こうぜ。

ル・マン:そうだな。色々と危険になったので、というところがナンだが、巫女さんでないと入れないとなれば、彼女に待っていてもらうわけにもいかないしな。

GM  :「もちろんなのだ! 巫女であるわたしが行かずしてどうするのだ!」とジュリア。だいぶん元気が出たみたいです。

チョイス:さっきは、ウルウルしていたのにな(笑)

GM  :チョイス、うしろからゲシッて杖でたたかれる。もちろんジュリアに。

チョイス:いてっ。

マリー :ルートが見つかったんだから、遊んでいないで行きましょう(笑) マスター、ルキウスはその洞窟の入り口はわかるのかしら。

GM  :「実際に行ったことはありませんが、大体の位置はわかると思います」とのこと。島を右手から海岸沿いに回り込むとその洞窟があるはず、だそうだ。

ル・マン:では、道案内にルキウス、その横にチョイス、真ん中にジュリアとマリーで、しんがりが僕という隊形で進もう、みんな良い?

チョイス:さすが、ゲーム慣れしてるな。いいぜ、先頭は引き受けた。

マリー :マスター、ジュリアは大丈夫そう?

GM  :うん、だいぶん元気にはなったね。でも、まだまだ心配と不安が半分半分といったところかな。祠に通じている階段が壊されていたことが相当ショックだったみたいだし。

マリー :え、それじゃ全然元気になってないじゃない。ちょっと手をつないであげようかな?

GM  :(お、優しいな。あ、そうか)ごめんごめん、言い間違い。安心と不安が半分半分だった。(笑) でも、ジュリアは、ちょっとびっくりしたようにマリーの顔を見上げたけど、ジュリアの手をぎゅっと握り返してくる。少しその手が震えているのが、マリーには伝わってきます。

マリー :なんだか、可愛くなってきた、この娘。(笑)

ル・マン:よし、では、周囲を警戒しながら、その洞窟に向けて出発します!(Tips22)

■海岸での初バトル

GM  :君たちは周囲を警戒しながら、ルキウスの案内に従って小島の外周を回っていきます。しばらくは、草土の台地と岩場が混ざっているような地勢だったんだけど、だんだんと岩場が多くなってきます。そして、小一時間ほど進んで小さな入り江に差し掛かったところで、ルキウスが前方を指さします。「あの、岩場を回った先に洞窟がある、とのことだったと思います。」

ル・マン:マスター、何か周囲に怪しい感じはある?

GM  :(ノートの陰で6面ダイスを3個転がす。。。5) ル・マンや皆が周囲を警戒していても特に怪しい感じはしないよ。

チョイス:まぁ、行くしかないからな。いつでも戦えるようにして行こうぜ。

GM  :では、君たちが慎重に岩場を回ると、そこは小さな入り江で奥には砂浜があります。それを過ぎるとまた岩場が広がっているようです。満潮時は砂浜全体が海水で満たされるようですが、今は潮が引いている時間帯なのか砂浜が顔を出しています。そして、(また、ノートの陰で6面ダイスを3個転がす・・・14)入り江の一番奥、砂浜を突っ切って反対側の岩場の根本付近に洞窟の入り口が見えます。

チョイス:よし、それだ。いくぜ、みんな!

ル・マン:マスター、潮が満ちてきたら水没するような危険はないよね。

GM  :(ノートの陰で知力チェック・・・OK)うん、周囲の様子からすると、満潮時は洞窟の中まで潮が来るようだけど、洞窟全体が水没するような危険性はなさそう。今は、潮が引いていて洞窟の前には砂浜が出ている状態なので、洞窟のところまで潮が上がってくるとしても何時間も先のことになるでしょう。

マリー :ルキウスに「これがそのもう一つの入り口かしら」と尋ねます。

GM  :「おそらくわたしが聞いていた場所はここだと思います・・・」とルキウス。それで、皆が洞窟の前の砂浜に差し掛かったとき、洞窟の中からいくつかの影が現われます。カサカサカサ・・・・。なにかが、右手に大きなハサミを振りかざしながら迫ってくる!横向きに!

チョイス:何かって。(笑)

ル・マン:カニだろ。横向きなら。(笑)

マリー :カニね。(笑)

GM  :カニです。(笑) でも、一体一体は大きくて、体高が大人の腰位まであるよ。

ル・マン:ジャイアントクラブだ!

チョイス:おおっ知っておるのか、ル・マン!(笑)

ル・マン:うむ、ジャイアントクラブとは・・・マスター、後よろしく。(笑)

GM  :ジャイアントクラブとは、読んで字のごとく巨大カニです。肉食です。さっきも言ったように大人の腰位までの大きさがあるので、当然ハサミも大きく、魚類も食べればアシカ・アザラシの類も襲います。テリトリーに入ってきた動物も襲えば、もちろん人間も襲います。ということを、皆は知っています。そして、今、彼らは非常に興奮してハサミを振り振りで君たちに襲い掛かってきます!(Tips23)

マリー :大きなハサミ、痛そうだなぁ。頑張って、みんな!

ル・マン:マリーとジュリアを守るようにして、僕とチョイスが前に出よう。マスター、襲ってくるカニは何匹?

GM  :4匹。チョイスは戦士だから2匹を同時に相手にするスキルがあるとして、後ろを完全に守るにはもう一人欲しい。(紙に配置図をメモする。巨大カニ2匹の前にチョイス、1匹の前にル・マン、後衛にジュリア、マリー、ルキウスだと、巨大カニが1匹フリーになる。)(Tips24)

チョイス:ルキウス、お前も出ろ! お嬢さんを守れ! マスター、俺は盾を投げ捨てて剣を両手使いにする。たかがカニ相手に、盾など不要!

GM  :「え、は、はい!」とルキウスも、腰に下げた大型のナイフというかショートソードを抜いて前に出てくる。剣の扱いにはあまり慣れてなさそうだね。(フリーのジャイアントクラブの前にルキウスが来るようにメモする。)

ル・マン:筋力が低いから肉弾戦が不得意なのは、僕も同じだよ。頑張れ。

GM  :久しぶりの獲物なのか、ジャイアントクラブはすごく興奮してハサミを振り回して襲ってきます。泡なんか吹いちゃったりして。では、最初のターン、先制権チェック。ルキウスとジュリアの数値はリーダーのチョイスの数値を基準にします。では、せーのーで、。。。。。ジャイアントクラブは3!

チョイス:5-2の3!

ル・マン:4+1の5!

マリー :5+1の6!

GM  :では、一番早く行動できたのは、マリーだね、どうする?

マリー :魔法は数の制限があるから難しいなぁ。でも、チョイスが厳しそうだから助けてあげる。ジャイアントクラブAにマジックアロー!

GM  :了解。マリーが呪文を唱えて魔法使いの杖をジャイアントクラブに向けると、杖の先端から矢の形をしたエネルギ体が現われて、ジャイアントクラブAに向って飛んでいく! 6面ダイス3個振って命中判定をどうぞ。

マリー :お願い。。。。すごい、16!

GM  :おお、さらに知力の修正があるから17だね。輝くマジックアローは、ジャイアントクラブAのど真ん中に命中した! ダメージ判定をどうぞ。マジックアローは1から6ダメージです。6面ダイス1個振って、それに知力の補正ありです。

マリー :よし、。。。。あ、5! +1だから6!

GM  :すごいな。バチン!とジャイアントクラブAは弾き飛ばされ、ばらばらになった。大きなはさみは、さらに遠くまで飛ばされている!

マリー :一撃で倒したっていうこと? 気持ちいい・・・。

チョイス:姉御だ・・・。(ぼそっと)

マリー :なに?(チョイスをにらむ)

チョイス:いやいやっ。一匹減ったありがとう!

マリー :どういたしまして!(うれしそう)

GM  :次は、リーダーが出した5が適用される、ルキウスとジュリアだね。ルキウスがジャイアントクラブDを攻撃。。。12。ルキウスの剣は当たってるんだけど、ジャイアントクラブの固い甲羅には傷一つついていない。

     ジュリアは、「ルキウス、しっかりするのだ」と、ルキウスに向って呪文を唱える。すると、ルキウスのレザーアーマーがほのかに光り輝き出す。どうやら、防御力を上げる奇跡を唱えたようですね。

ル・マン:さすが、巫女様。ちゃんと奇跡も使えるんだね。次は僕か。正面のジャイアントクラブCに攻撃するよ。。。。。あれ、9で、筋力修正して8?

GM  :カーン(笑) ル・マンの攻撃はジャイアントクラブの甲羅にはじかれます。

チョイス:ああ、俺の番はまだか!!

GM  :お待たせしました。ジャイアントクラブとチョイスは同じ3だけど、修正前のダイスの出目が高いチョイスが優先です。

チョイス:よし、両手剣でジャイアントクラブBを一刀両断。。。。10。+2して12、あれ?

GM  :カーン(笑) チョイスの攻撃はジャイアントクラブの甲羅にはじかれます。硬いし丸いし剣が流される感じ?

マリー :二人ともなにやってんの、もう。

チョイス:すんません、姉御(笑)

マリー :姉御はやめてよー。

GM  :では、ジャイアントクラブの攻撃です。Bがチョイスに大きなはさみで攻撃。。。5。全然当たらない。Cが同じくル・マンに攻撃。。。。6、これも当たらない。さらに、Dがルキウスに攻撃。。。。11、これは命中! ダメージは3。ジャイアントクラブのDの振り回したはさみがルキウスの脇腹に命中。ルキウスは痛みに顔をしかめます。次のターン行きましょう。せーのーで。。。。1、あわわ。(カニだけに)

チョイス:5-2で3

ル・マン:4+1で5

マリー :3+1で4

GM  :では、このターンはルキウスとジュリアから。ルキウスは目の前のジャイアントクラブDにショートソードで攻撃・・・また、はずれです。ジュリアは心配そうに杖を両手で握りしめながら待機しています。次は、ル・マンだね、どうしますか。

ル・マン:僕も目の前のジャイアントクラブに片手剣で攻撃するよ。当たれ!。。。。9-1で8か・・・。

GM  :残念ですが、振り下ろした剣は当たりませんでした。

マリー :もうー、大丈夫? 援護要る?

ル・マン:いや、魔法は数に限りがあるんだろう? なんとか頑張るよ。

マリー :では、わたしもジュリアと一緒で待機です。

チョイス:よし、俺の番だな。今度こそ! 。。。。8+2で10!

GM  :チョイス渾身の一撃も、ジャイアントクラブの華麗な横フットワークにかわされてしまうカニ。

チョイス:く、悔し・・・。

GM  :では、ジャイアントクラブの攻撃ですね。Aは、マリーの一撃でバラバラなので、Bがチョイスに攻撃。。。。13! 

チョイス:やべっ!

GM  :だけど、さすが戦士、ジャイアントクラブのハサミを両手剣でしっかりと受け止めてノーダメージ。

チョイス:ふうぅ・・・。

GM  :次は、Cがル・マンに攻撃。。。。12! これも、なんとかダメージ無しで凌ぎ切った。

ル・マン:なんか、ジャイアントクラブの方が出目が良いんだよなぁ。

GM  :なんだろうね、ホームだから?(笑) そして、Dがルキウスに攻撃です。。。。12! 痛い! ジュリアの魔法で防御は上がっているんだけど、また、ジャイアントクラブのでかいはさみ攻撃が命中した。ダメージが2。3ターン目、せーのーで。。。。6! ジャイアントクラブ絶好調だな。海辺だけに波に乗ってる?

チョイス:くそ、おれは素早さが低いから、4-2の2。

ル・マン:潮目が変われ、の4+1の5。

マリー :うまいこというわね、の5+1の6。

GM  :では、ジャイアントクラブさんの攻撃からですカニ? 

チョイス:その語尾腹立つわ(笑)

GM  :その、イラついているチョイスにジャイアントクラブBの攻撃。。。10 当たりません。ル・マンにCの攻撃。。。6、これも当たりません。最後、ルキウスにDの攻撃。。。9、これもはずれ。

マリー :もう、なにか頼りないから、助けてあげる。マスター、ルキウスに攻撃力向上の呪文をかけるわ。

GM  :「あ、ありがとうございますマリーさん」とルキウス。ルキウスは、鎧に続いて、手にしているショートソードも光りだした。

チョイス:豪勢だな。しっかり頑張ってくれよ。

ル・マン:僕の番か、ジャイアントクラブCに攻撃、。。。15-1で14、どうだ!

GM  :とうとう、ル・マンの剣がジャイアントクラブCを捉えました! ダメージ判定をどうぞ。

ル・マン:非力の身がつらい。。。。でも、4-1で3だ。

GM  :ジャイアントクラブCに大きなダメージを与えました。(ノートの後ろで6面ダイスを3個コロコロ。9以下なら逃げるか。。。6) ジャイアントクラブCは急に向きを変えて、岩場の洞窟の方に逃げていきます。(Tips25)

ル・マン:やった! さすが、大きくなっても甲殻類、一発当てれば逃げるか!

チョイス:仲間を見捨てて逃げるとは・・・ってカニだからな。(笑)

GM  :その、カニにやられてヤバそうなルキウスですが、ジャイアントクラブDへの攻撃。。。。12+1で13。攻撃力向上しているのだけれど、ぎりぎりジャイアントクラブにダメージが通らない。

チョイス:そのピカピカは飾りか! やはり俺がやらなきゃダメか、カニBへ攻撃、8、ああー。(ガックリ)

マリー :もう、チョイスの剣も飾りなんじゃないの?(笑)

     その後、数ターンかかって、一同はジャイアントクラブを撃退した。結局、ジャイアントクラブを倒したのはマリーのみで、ル・マンもルキウスも一撃を与えて追い払うにとどまった。チョイスに至っては一発も命中させられず・・・。傷を負ったルキウスは戦闘終了後にジュリアの回復の奇跡によって回復したが、防御及び攻撃向上奇跡の効果は切れてしまう。

チョイス:この剣が合わないのかなぁ。

ル・マン:いや、やっぱりカニって固いんだよ。

マリー :頼りにならない男どもね。(笑) でも、邪魔ものがいなくなったから進めるんでしょう、マスター?

GM  :うん、逃げたジャイアントクラブは洞窟の中に引っ込んだし、中に入っていくのに特に障害はないです。どうする? ちなみに、ジュリアは「マリーさんだけが頼りなのだ。早く行こう」って感じでマリーを見上げています。

チョイス:もちろん行くぜ! 早くリベンジさせてくれ!

ル・マン:うん、で、どれくらいの大きさの洞窟なのかな。マスター?

GM  :岩陰に隠れていたけど、正面に回ってみると入り口はかなり大きい。ざっと高さは大人の身長の3倍はあるし、横も4,5人が手を広げて並ぶことができるくらいです。足元はゴツゴツした岩場で、低い部分には海水がたまっています。

マリー :行くしかないね。(ちょっと、シリアスな感じで)

ル・マン:うん、では、ここまで来た隊列で中に入っていこうか。

GM  :あ、入り口は明るいけど、奥の方は当然暗くなっているので、明かり持ちを決めてください。この世界の冒険用の明かりで一般的なのはオイルランプと松明で、どちらも基本装備として君たちは持っています。火種も火打石的なものを組み合わせたセットを持っています。明かり持ちは二人いれば十分だけど、その人は片手がランプで塞がれていることになります。(Tips26)

チョイス:おれは両手で剣を使いたいのでパス。盾は背中に背負っとくよ。

マリー :マスター、呪文を使うためには両手が必要?

GM  :いや、片手で杖を持てば呪文は発動可能です。

マリー :じゃあ、わたしとジュリアがオイルランプを持つということで大丈夫かしら?

GM  :うん、洞窟を進むための明かりとしてはそれで充分です。それでいい? リーダー?

チョイス:OK! 洞窟に入るぜ!

■神域へと続く洞窟

GM  :君たちは、チョイスとルキウスを先頭に洞窟に入っていきます。洞窟は不定形に広がったり狭まったりしながら、基本的には一本道で奥に続いていくようです。(白い紙を広げ、洞窟の概略図を描く)

ル・マン:慎重に進みます。

GM  :入り口を離れると、洞窟の空気はひんやりとしてきます。ぼんやりとランプの明かりに照らされた天井には、鍾乳石のツララがいくつもぶら下がっています。何かの折に落ちたのか、地面には鍾乳石が落ちて砕けた跡もあります。また、ところどころ、岩場がくぼんだ所には、満潮時に入ってきたものか、海水がたまっています。さて、ランプの明かりを頼りに入り口から10分ほど進んでいくと・・・(ノートの陰で6面ダイスを転がす)

チョイス:来た!

GM  :洞窟の奥の方から、バサバサという音がしたかと思うと、大量の黒い塊が皆の方に飛び出してきます。明かりに驚いたジャイアントバットの集団だ!

チョイス:またジャイアントか!(笑)

GM  :ジャイアントクラブほどではないけど、かなり大きいよ。翼(?)を広げたら横幅は1メートル近くある。こいつらが、無数に、しかも一遍にバサバサバサっと飛び出してくるので、奥から黒い津波が襲ってくるようだ! さて、先頭の方から6面ダイス3個振って体力チェックをお願いします。(笑)

チョイス:当たれば痛そうだな。盾に隠れながらの。。。12。

GM  :いや、チョイス、盾は背負っているんでしょ?(笑) でもまぁ大丈夫。大量のジャイアントバットにもみくちゃにされたけど、さすが戦士、踏ん張っています。

チョイス:ナイス、俺の筋肉!

GM  :一方のルキウスは。。。13 「うわぁ・・・ジュリアさまぁー!」とか叫びながらひっくり返る。ダメージを受けるほどではないけどね。

マリー :軟弱者!

ル・マン:なんか、しっかり者の従者ってイメージが崩れてきたな・・・。

GM  :はい、そう言っているマリー達も、チェックお願いします。

マリー :はいはい。。。。7、大丈夫。

チョイス、ル・マン:さすがです、姉御!

GM  :さすがだなぁ(笑) えーと、ジュリアは。。。。11 「キャー、イヤァ!」と頭を抱えてしゃがみ込む。その時に、ランプが・・・・(ノートの陰で6面ダイス3個転がす。。。。12)手から離れてガシャーンと割れてしまいます。一瞬、漏れ出た油に火が付いて明るくなるけど、すぐに消えてしまって、洞窟はかなり薄暗くなります。マリーの明かりしか残っていないからね。それで、最後はル・マン。

ル・マン:了解。。。。4。大丈夫です。後列にはあんまり、ジャイアントバットが来なかったかな。(笑)

GM  :ジャイアントバットの群れが通り過ぎると、ルキウスはバツが悪そうに立ち上がる。ジュリアは、「申し訳ないのだ、びっくりしてしまって・・・」とランプを割ってしまったことを皆に謝ります。

チョイス:まぁ、仕方ないさ。マスター、俺の装備からランプをジュリアに渡すわ。ついでに、安心させるために頭ポンポンしてやろうか(笑)

GM  :ランプを受け取ったジュリアは照れ隠しなのか、「頭を触るな!」といってチョイスの足を杖でゲシッとたたいて、マリーの陰に隠れます。(笑)

マリー :あのお兄さんは、怖くないんだよ。(笑)

ル・マン:でも、真っ暗にならなくてよかったよ。さぁ、気を取り直して先へ進もう。ジャイアントバットが戻ってきても嫌だしね。

GM  :君たちが更に先へ進むと、かなり大きな空間に出ます。そうだな、学校の体育館5,6個は入りそうな広さです。ランプの明かりも隅々までは届かないぐらい広いので、出口があるかどうかはっきりわかりません。中央から左側は水がたまっているけど、暗いし深さはよくわからない。

     空間の上の方にはジャイアントバットが何匹か残っていて、明かりにびっくりしてバタバタ飛び回っています。どうやらここが彼らの巣だった様だね。

ル・マン:この水はなんか嫌な感じだなぁ。それで、洞窟はまだ続きがあるの? その神域とやらに入ってきた感じはしないよね。

マリー :そうよね、そもそも祠から神域に洞窟が通っていて、それとこの海辺からの洞窟がつながっているはずだから、一本道なわけないものね。ルキウスは知っているの?

GM  :「いえ、私はこの洞窟があるという話しか知らなくて、入ったのは初めてでして・・・」とルキウス。

チョイス:えーと、よくわからんが、まだ先があるということだろう? 広い部屋の中に入って調べてみようぜ。

ル・マン:そうだね。マスター、水辺の方に気を使いながら、その部屋の中に入っていくよ。

マリー :なにか気になるの?

ル・マン:うん、まぁ念のため。水系のモンスターとか出そうだろう?

GM  :(さすがコンピューターRPG慣れしているな)では、ル・マンが水辺を警戒しながら、皆は部屋の中に入って来る、と。そうすると。。。。(ノートの陰で6面ダイスを転がす)

ル・マン:うわ、やっぱり?

GM  :いや、水辺の方には変化は見られないです。ごつごつした洞窟の岩陰のせいでわからなかった出口が二つ、ランプの光の移動で浮かび上がってきました。正面と右手に一つずつ。

ル・マン:分岐点かー。

マリー :でも、さっきの考えだと、片方が外の祠につながっていて、もう片方が奥の神域につながっているのではないかしら。

ル・マン:そうだよな。マスター、その二つの出口に何か違いはあるかな。

GM  :では。(ノートの陰で6面ダイスを3個転がす。。。。12) うーん、どちらも同じような大きさで、これまでと同じような広さですね。あえて言えば、右手の方は奥の方に比べて若干下がっていっているような気がするかな。でも、ランプの明かりが届く範囲での判断ってことだけどね。

マリー :祠は岩場の上にあったから、下がっていっている右の方が正解かな?

ル・マン:でも、祠からの洞窟が同じ高さで神域につながっていて、右の方は全く違う地下へ向かっているかもしれないぞ。ジュリアは祠から神域へ行ったことはあるんだよね、マスター。

GM  :「もちろんあるぞ。」とジュリア。「祠の先はここと同じような洞窟になっておるのだ。長い洞窟をだんだん下っていくと、やがて水が湧き出る神域に行きつき、そこにご神体が祭られておるのだ。だけど、洞窟が枝分かれしている場所は記憶にないのだ・・・」と申し訳なさそうにしている。

ル・マン:やっぱり下がってるんだよ。ということは、右の方が地下で合流している可能性もある。でも、この海辺の洞窟と同じ高さに神域があるのなら、奥が正解って可能性もあるか・・・。

マリー :うーん。決め手がないわね。

チョイス:・・・・。(二人が何で迷っているのかよくわからない様子) どっちでもいいから先へ行こうぜ! 間違ったら戻ればいいじゃないか。

GM  :(ちょっと、止まっちゃったな、動かすか) 君達がじっくりと考え込んでいると、奥の洞窟の方で何やら影が動くのに気付く。

マリー :え、なに? ランプを掲げてよく見ます。

GM  :シャカシャカ・・なにやら大きなはさみを持った平べったい影が複数・・・

チョイス:うわ、ジャイアントクラブか! そういえば、奴らが逃げ込んだ洞窟だった、ここは!

ル・マン:そうだった。ということは奥は奴らの巣かもね。ジャイアントクラブは固くていやだし、避けられるなら避けたいな。マリー、ここは右側の出口から試してみないか。

マリー :そうね、それで右側が正解ならカニと闘わなくていいものね。マスター、右側の出口から出ます。

チョイス:え、リベンジは?

マリー :出ます!(Tips27)

GM  :了解。奥の出口付近のジャイアントクラブは、特に君たちを追ってくる様子はないです。無事に右側の出口から出れます。この洞窟は、ゆるゆると左に曲がりながら段々と下がって行きます。幅もだいぶん狭くなってきて、2列で進むのは厳しくなってきます。これ以上先に進むのなら1列で進む必要がありそうだけど、どうする?

チョイス:そりゃ行くしかないだろう。先頭は俺だな。後衛はル・マンとすると・・・

ル・マン:2番目がルキウスで真ん中がジュリア、その次がマリーで最後が僕か。ジュリアが持っているランプを先頭のチョイスに渡しといたほうがいいかな?

GM  :隊列が長くなるから、その方がベターだね。だけど、片手がふさがるから、剣は片手剣扱いになるけどいい?

チョイス:俺としては両手剣でズバッといきたいけど、暗くて当たらないんじゃしょうがないからな。剣は片手で使って、もう片手でランプを持つよ。

GM  :わかった。先頭はチョイスでランプを持っている。次がルキウスで、ジュリア、マリーで、マリーが明かりを持っている。最後がル・マンだね。

     道は結構長く続いています。パーティーが一列になってしばらく進んでいくと、道はさらに左に曲がってきます。また、段々と下っていくのも変わりないです。やがて、道は少し広い部屋につながって終わるようですが、道と部屋との間には少し段差があってジャンプして飛び降りる必要があります。もっとも、怪我をするほどの高さがあるようではなさそうです。

チョイス:よっと! 部屋に入る!

ル・マン:あ、馬鹿、中をもっと慎重にうかがってから・・・。実際はすごく低いとかだったらどうする。

チョイス:え、あっ・・・。

GM  :いや、そこは大丈夫。見た目通りに大した段差ではなく、無事に部屋に降り立てるよ。まだ、チョイスの明かりしかないから薄ぼんやりしているけど、部屋は多分そんなに広くないです。天井は高さがわからないくらい高いけど、天井の一部がわずかに明るくなっています。足元は今までの岩場とは違って、枝か何かが敷き詰められているかのような感じで、チョイスの足元からはボキボキと枝が折れるような音がします。

チョイス:じゃあ、皆入ってきて。明るくなったところで部屋を調べようぜ。

GM  :了解。次々とパーティーのメンバーが部屋に入ってきて、ランプの明かりが増して部屋全体が照らされると・・・・足元は動物の白骨とカニの甲羅とで一杯なのがわかります!

マリー :いやぁ! 出る、出る!

GM  :その前に、俄かに部屋中に冷気が充満したかと思うと、片隅のほうで何かがカタカタカタっと起き上がり、君たちの方に向ってきます。人の形に骨が組みあがったものが数体、各々が杖や剣を持って襲い掛かって来ます!

チョイス:スケルトンか!

ル・マン:ここは僧侶の僕の出番かな。おおっ神よ! 我々を守り給え! 

GM  :というところで、残念ながらお時間です。部屋の片隅で起き上がってきたのは確かにスケルトンですが、このバトルは次回のお楽しみでお願いします。

チョイス:この戦闘が終わるまでやりたかったなー。

GM  :バトルやると時間かかるから、まぁいい引きになったということで。

マリー :こんなキモい部屋で引きってヤダー!

チョイス:いいところだから、また、すぐに続きをやろうぜ!

ル・マン:神よ、次回まで我々をお守りください!(笑)

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