御本紹介「ダンジョン飯」(著 久井諒子:KADOKAWAエンターブレインBC)

 拙サイトでご紹介するのもいまさらという感じがしますが、今回ご紹介する御本は、「異世界メシ物」ブームの先駆けとなった「ダンジョン飯」です。

「ダンジョン飯」(著 久井諒子:KADOKAWAエンターブレインBC)

 ある島に突然現れた迷宮。そこには各地から冒険者が集まっている。主人公のパーティーも同様だが、ある時ダンジョン内でレッドドラゴンと遭遇してしまう。パーティー全滅かというところで、主人公の妹である僧侶がパーティーを地上へ転送するが、自分はレッドドラゴンに食われてしまう。危機を脱した一行だが、装備をすべて失い、食料を買う金にも事欠く始末。妹が完全に消化される前にレッドドラゴンを倒し、蘇生させてやりたいと焦る主人公だが、去っていく仲間も・・・。時間がない、かくなる上は、迷宮に潜むモンスターを倒し、そして、これを美味しくいただきながら進むしかない・・・。

 あれ、前半の王道ファンタジーから後半は微妙にコミカル要素が加わってきましたね。このバランスが、「ダンジョン飯」の魅力です。古き良き「ウィザードリィ」の香りがします。近年の作品で言えば「世界樹の迷宮」でしょうか。

 設定はシリアスですが、食事パートが非常に上手く描かれており、きれいな線で描かれたキャラクターと相まって、読者をどんどんと引き込んでいきます。色々と工夫しながら迷宮を探索する姿は、特にTRPGファンには「あるある」感満載で楽しめます。

 単なる、「異世界メシ物」の企画ものではありません。「このマンガがすごい!2016 オトコ編」の1位や、「全国書店員が選んだおすすめコミック2016年度」の1位を獲得していることも納得です。

 2017年11月現在、第5巻まで発刊されています。

 是非ご一読ください。