御本は「ハーフエルフの見習い配達人が、崖の上に棲む魔術師に書簡を届けるため岩壁を這い上る。崖の上にはグリフォンが棲んでおり・・・」という、王道ファンタジーファンならずともドキドキするシーンから始まります。
「竜と勇者と配達人」(著 グレゴリウス山田:集英社) です。
この御本には、友人から「面白い本があるぞ」と貸してもらって、出会いました。
表紙を見て、まず思ったのが「なんか懐かしい。九月姫さんのイラストを思いだすな」でした。(九月姫さんは、カードゲームの名作「モンスターメーカー」シリーズ等のイラストを描かれた方です。)
王道ファンタジー世界を見習い配達人が旅する冒険話かと思ったら、少し味付けが違います。この御本の世界は、魔法やモンスターなどの要素と現実の中世ヨーロッパを混在・並列させて作られているのです。
見習い配達人の冒険談というよりは、日常業務の中でのエピソード集です。ファンタジー要素を縦糸に、中世ヨーロッパ要素を横糸にして、RPGファンなら思わず「あるある」と突っ込むエピソード満載で、ストーリーが進められていきます。
一読して、筆者はびっくりしました。しまったーです。
このコラムでも取り上げたように、筆者もファンタジー世界要素と現実世界要素を混在・並列させて「あるある話」を創作させていただいております。ど被りです。(いやいや、プロの先生との被りを心配するなど、おこがましいの極みなのですが・・・反省)
まったくの僭越ながら、同好の末席を汚すものとして申し上げると、作者のグレゴリウス山田先生は、RPGファンタジー世界を本当に楽しんでらっしゃるんだな、と思いました。
ファンタジーRPGを経験された方は、「あるある」「わかるわかる」がいっぱい詰まっていて、すごく楽しめると思います。是非、ご一読ください。
筆者お勧めは、第5話「魔術師と労働と配達人」です。
あー、こんな話書きたかったなー!
なお、現在筆者は第2巻未読でございます。(本屋で見かけはしたのですが) 当サイトに御本と同じようなテーマの創作物がございましたら、同好のアマチュアゆえの誤りとお見逃しくださいませ。