「HAVE FUN!」ルールブック

はじめに

 TRPG「HAVE  FUN!」へようこそ。

 「HAVE  FUN!」は、TRPGを簡単に始めることを目的に作られたシステムです。能力値やルールはできるだけ簡便に設計されていますし、100円均一ショップなどで簡単に手に入る6面ダイスと筆記用具だけで遊ぶことができます。ゲームを進める中で、システムに載っていなくて判断に迷うことがありましたら、皆さんで決めていただいて構いません。難しく考えず、まずはTRPGを始めてみましょう! HAVE  FUN!!

用語

GM    ゲームマスター。ゲームの進行役。

PL    プレーヤー。登場人物(キャラクター)を演じてシナリオに参加する。

シナリオ  TRPGを遊ぶ際に、あらかじめGMが用意するあらすじ。

システム  ルールブックやキャラクターシートなどを含めた総称。

パーティー 一緒に行動する冒険者仲間のこと。

ダイス   サイコロの別名。このシステムでは6面ダイスを使用する。 

先制権   先に行動する権利。

能力値チェック 3d6して出た値を能力値と比較して、行動の成否等を決める。状況によって、上回れば良いか下回れば良いかは異なる。

EXP   経験値。冒険等によって得られる経験を表す数値で、一定の数値を超えるとレベルが上がり、HPや魔法等のコスト上限が上がる。

LV    レベル。冒険者の技量を表す。

 〇d△   △は何面ダイスかを、〇は何個転がすかを示す。3d6であれば、6面ダイスを3個転がす。

6面ダイスによる数値判定方法

1~2  1d6して1~3が出れば1、4~6が出れば2とする。

1~3  1d6して1又は2が出れば1、3又は4が出れば2、5又は6が出れば3とする。

1~4  1d6して出た値を採用する。ただし、5又は6が出た場合は振り直し。 

1~5  1d6して出た値を採用する。ただし、6が出た場合は振り直し。

1~6  1d6して出た値を採用する。

 ゲームの進め方

 TRPGでは、GMと複数のPLが、会話によってゲームを進めていきます。大まかなシナリオはGMがあらかじめ準備しますが、コンピューターRPGと違って選択肢は決められていません。戦闘場面でダイスを振ることによって、命中判定やダメージ判定を行います。また、キャラクターの行動によっては、GMの指示で能力値チェックをすることによって、成否を決める場合があります。

(例)

GM   古城を探索する君たちがこの部屋に入ろうとしたところ、天井から緑色をした粘液状のものが落ちてきました。グリーンスライムだ!

PL   マスター、僕はグリーンスライムの弱点を知っているかな。

GM   では、3d6して知力以下が出るかチェックしてみてください。

PL   成功した!

GM   君はグリーンスライムが火に弱いことを思いだしたよ。

PL   そうか、では剣で切りかかるのではなくて、火のついた松明を押し付けて攻撃する。

GM   グリーンスライムは火に弱いので、火を避けようとして慌てている! 命中判定とダメージ判定に+2のボーナスが入ります。

キャラクターメイキング

 PLが演じるキャラクターを作成します。ダイスを振ることによって決定する項目と、職業や装備よって決められる項目があります。

  ・個人能力値

 身体的な能力を表す数値で、3d6して決定する。数値は戦闘時の命中判定やキャラクターの行動成否判定に影響する。数値は高いほど優秀である。

  筋力  武器による攻撃の命中判定、ダメージ判定に影響

  知力  魔法、奇跡の成功判定、効果判定に影響

  素早さ 先制権チェック、飛び道具の命中判定に影響

能力値による命中判定等への修正値

  18    +3

  17~16 +2

  15~13 +1

  12~9  なし

  8~6   -1

  5~4   -2

  3     -3

HP(活動力)

 キャラクターの活動する力を示す。

 1d6して出た値に、職業ごとに定められた数値を加えて決定する。0になっても直ちに死ぬわけではないが、活動不能の状態になってその場に倒れる。

防御力

  物理攻撃(飛び道具による攻撃を含む。)を防ぐ力を示す。装備している防具で決定される。

魔法防御力

 魔法や奇跡による攻撃を防ぐ力を示す。職業により決定される。

ラッキーナンバー 

 3d6して決定する。各キャラクター固有の数値である。攻撃判定などの際にこの値が出ると、何かいいことが起こるかもしれない。

特徴 

 各キャラクターの特徴。外見的なもの(例:背が高い)、能力的なもの(例:泳ぎが不得意)、裏設定的なもの(例:親の仇を探している)、性格的なもの(例:ドジっ娘)など、一つ以上決める。

戦闘について

戦いの流れ

 ①先制権チェック

 ②先制権チェックで決定した順番により、次のいずれかの行動を行う。

  ・直接攻撃命中判定及びダメージ判定

  ・魔法・奇跡の効果判定及びダメージ・回復判定

  ・飛び道具による攻撃命中判定及びダメージ判定

  ・その他(武器の持ち替え、飛び道具を構える、待機、逃げるなど)

 ③全員の行動が終わったら次のターンになり、先制権のチェックを行う。

先制権チェック

 各キャラクターが1d6して出た目に、素早さによる修正を加えた値を比較して、大きな数値の者から行動できる。同じ数値の者がいる場合は、修正前の数値が大きかった者が優先される。敵方はGMが先制権チェックを行う。パーティーに参加しているNPCの先制権の数値は、リーダーのダイスの値とする。(リーダーの素早さの修正は加えない。)

直接攻撃命中判定

 直接攻撃が相手に命中するかどうかの判定。3d6して出た目に筋力による修正を加えた値が、相手の防御力を上回った場合に命中となる。

直接攻撃ダメージ判定

 命中した直接攻撃が、相手にどの程度ダメージを与えるかの判定。ショートソードであれば1d6など、武器それぞれに設定されている攻撃力判定を行い、筋力による修正を加える。修正の結果が1を下回った場合は、与えるダメージは1となる。

魔法・奇跡効果判定

 魔法・奇跡が命中・成功するかどうかの判定。相手に対して魔法・奇跡をかける場合は、3d6して出た目に知力による修正を加えた値が、相手の魔法防御力を上回った場合に、命中・効果発生となる。相手が抵抗しない場合は自動的に命中・成功となる。物や場所に魔法・奇跡をかける場合は自動的に成功となるが、状況によりGMが魔法防御力を設定して、使用者に効果判定を指示することもある。

魔法・奇跡ダメージ・回復等判定

 魔法・奇跡が命中・成功した場合に、どの程度のダメージ・回復が生じるかの判定。魔法の矢であれば1d6など、魔法・奇跡それぞれに設定されているダメージ・回復等の判定を行い、出た値に知力による修正を加える。修正の結果が1を下回った場合は、魔法・奇跡によるダメージ・回復量は1となる。

飛び道具攻撃命中判定

 飛び道具攻撃が相手に命中するかどうかの判定。3Ⅾ6して出た目に素早さによる修正を加えた値が、相手の防御力を上回った場合に命中となる。

飛び道具攻撃ダメージ判定

 命中した飛び道具攻撃が、相手にどの程度ダメージを与えるかの判定。ロングボウであれば1d6など、飛び道具それぞれに設定されている攻撃力判定を行う。能力値による修正は行わない。

キャラクターの成長

 冒険の目的を達成した時などに、キャラクターには、GMから経験値が与えられる。この経験値が一定の数値に達するとレベルが上がり、各職業ごとに設定されているように、HPや魔法等コスト上限が上昇する。ルールブックに記載されている魔法や奇跡は比較的一般的なものなので、GMが特に制限しない限り、コスト2のものはキャラクターがレベル2になれば選択可能となる。(コスト3のものも同様。) 

 世界には様々な魔法や奇跡、あるいは、戦士が習得できる戦技が存在する。それらのものの詳細をGMが設定し、シナリオの中でキャラクターに学習の機会を与えることとしても、あるいは、レベルの上昇により自動的に習得することとしてもよい。

レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
経験値 0 4,000 10,000 20,000 35,000 53,000 75,000 100,000 130,000 170,000