GMの悩みどころの一つは、どのように「キャラクターの行動をシナリオに沿うように誘導するか」です。
シナリオは、出来るだけ一本道にせず、「キャラクターの選択」を積み重ねて進めたいところです。
でも、シナリオを進めていく中でのキャラクタの行動すべてを予測して、それに備えたシナリオを作ることは不可能です。
そこで、前もって、シナリオを進めるにあたってクリアすべきポイント及びその順番を、明確にしておきましょう。そうしておけば、キャラクターの行動にアドリブで対応した場合でも、この場面で(あるいは、次の場面に行くまでに)何をクリアしなければならないかが把握しやすくなります。
リプレイの場面は、祠のある小島にパーティーが上陸したところですが、GMは、ここで、
①祠をキャラクターに見せて目的意識を明確にする
②祠に到達する手段が失われていることを示して、問題が起こっていることを伝えるとともに、島の海岸及び洞窟へ誘導する
③島の海岸及び洞窟でのバトル
という流れを考えていました。
キャラクター(PL)が、祠に到達するアイデアを色々と考えてくれたことはうれしい誤算でしたが、当初考えていたポイント②へ進むため、PLが考えた到達手段が難しい旨の説明をするとともに、NPC(ルキウス)を利用して、島の海岸及び洞窟へと誘導を行いました。
ここで注意しなければいけないのは、キャラクター(PL)のアイデアを無理に否定しないことです。周囲の状態などから考えてそのアイデアが難しいのであればそれを説明すればよいのですが、そのアイデアが可能であるのに、シナリオを進めたいがためにそれを否定すると、キャラクター(PL)が積極的にシナリオに参加してくれなくなる恐れがあります。
このような場合では、キャラクターのアイデアを採用してその状況は解決させるが、次の状況を生じさせて、シナリオの流れに誘導します。単純な変更でよいです。
リプレイの場合では、PLは岩場に到達する手段が見つけられませんでしたが、その場に野営して、次の日に浮遊の魔法を選択しなおすという方法も有りました。
この場合では、そのアイデア自体は採用して、浮遊したキャラクターを祠に到達させるが、「調べてみると祠自体も破壊されており奥へと進む道が通れなくなっている」とします。
もともとのシナリオには無いパートですが、自分のアイデアを生かして調べた結果ですので、PLは納得して次の手段を探してくれます。そこでシナリオの次のステップへ誘導しましょう。さらに、このキャラクターの行動をシナリオに反映して、「一日遅れたことによりジュリアの焦りはすごく高まっている」とすれば、PLのシナリオへの参加感がすごく高まります。