1-1 キャラクターメイキング

イントロダクション

筆者  :よーし、みんな集まったね。今日は、この間話していたとおり、テーブルトークRPGをやろうと思います。みんな、RPGは知っているよね。

友人A :もちろん、ゲームでよくやっているよ。

友人B :おれも。

友人C :わたしもゲームとかラノベとかでなんとなくわかる。「テーブルトーク」の部分がよくわからないけど。

筆者  :RPGが、役割(ロール)を演じる(プレイ)ゲームってことがわかっていれば話は早いよ。普通のコンピューターファンタジーRPGだと、プレイヤーが勇者とかになって、世界を冒険して、その行動の結果をコンピューターが返してくれるよね。

友人A :モンスターを倒したら「仲間になりたそうにこっちを見ている」というふうに、コンピュータが返してくるっていうこと?

筆者  :そういうのもそうだし、そもそも「剣を振る」という行動に対して「命中。何ポイントのダメージを与えた」っていうようなところもそう。それらをコンピュータの代わりに人間がするんだ。自分が何をするかっていうのも会話で伝えて、その結果がどうなったかというのも会話で返ってくる。

友人C :え、なんか、それってすごく大変そうじゃない?

筆者  :いやいや、コンピューターゲームほど、たくさん戦闘シーンがあるわけじゃないから、大丈夫。流れはそのような感じなんだけど、コンピュータの世界と違ってテーブルを囲んで人間同士のトークでゲームを進めていくから、プレイヤーはいろんなことができる。「剣で切りかかるのでなくて投げつける」とか、「仲間を置き去りにして逃げる」とか、自分の行動を進行役の人間、ゲームマスター(GM)っていうんだけど、に伝えて、結果をゲームマスターが返してくるんだ。

友人A :なるほど、プレイヤーがいろいろ工夫できるんだ。

筆者  :そう、とにかく会話とメモでゲームを進めていくから、テーブルトークなわけ。

友人B :うーん、わかったようなわからんようなだけど、まぁやってみようや(笑) 要は、俺が「モンスターを攻撃する」って宣言したら、そのマスターが「当たった!」とか「外れた!」とか言ってくれるわけだ。

筆者  :そうそう、そのほかの行動も、自分がこうするっていうのを、どんどんマスターに宣言して進めていくゲームなんだよ。でも、友人Bのいうとおり、まず、やってみようよ。(Tips1) 実は、僕は何回かゲームマスターをやったことがあるから、今回は僕がゲームマスターで皆がプレイヤーでいいかな。

一同  :OK! でも、ルールとかよくわからないけど?

筆者  :そこは、やりながらで大丈夫。勝ち負けを競うゲームじゃないからね。ネットにTRPG入門者用の無料システムがあったので、今回はそれを使わせてもらうよ。(一同にルールブックとキャラクターシートを配る) 万が一、面白くなくても無料だから大丈夫。(笑)

キャラクターメイキング

筆者  :では、まずみんなのプレイするキャラクターを作りたいと思います。(Tips2) この「HAVEFUN!」っていうシステムは入門者用なので、あまり複雑なルールではないです。職業は、戦士、僧侶、魔法使い、狩人の4つです。能力値は、体力、知力、素早さですね。まず、能力値は6面ダイス(サイコロ)を3個振って決めましょう。大きな数字の方が能力が高いです。

一同  :ダイスをコロコロコロ。。。。。

筆者  :とりあえず、3回キャラクターを作ってみて、その中から好きなものを選んでみてください。(Tips3)

友人A :ごめん、なんか知力が低いキャラばっかで嫌なんだけど・・・。

筆者  :ロールプレイングっていう意味では、そういうキャラを演じるのを楽しむってのもあると思うけど、もしいやだったら各能力値を互いに入れ替えてもいいです。(Tips4)

友人A :うん、そうする。体力と知力を入れ替えるよ。

筆者  :能力値が決まったら、職業も決めてください。戦士、魔法使いはどのファンタジー世界でも大体役割は一緒で、今回も同じように考えてもらってもいいけど、僧侶と狩人は説明しとくね。

     僧侶は、回復系・防御系の奇跡を行うことができる職業で、ある程度戦闘もできます。日本でも僧兵とか昔いたよね。そんな感じでイメージしてもらえると、戦闘もこなせるというところがイメージできるかと。戦士ほど重い武器や鎧は装備できないけどね。

     狩人は、罠発見や解除などが得意なのももちろんだし、馬車などの操作や飛び道具などの扱いがうまい器用な職業です。あと、精霊と交信できるのも特徴かな。

友人A :僕の知っているゲームだと、狩人は盗賊みたいな役割なのかな。

筆者  :あーそう思ってもらってもいいかも。このシステムでは、自然に親しんでいる職業っていうイメージが強いみたいだね。

一同  :それぞれワイワイと話し合って職業を決める。今回はプレイヤーが3人なので、別々の職業を選ぶことにする。また、決めた職業に従って、HPも決定する。

筆者  :あと、それぞれのキャラクターの名前と、特徴を一つ決めてください。

友人C :特徴?

筆者  :なんでもいいよ。背が高いとか低いとかの外見でもいいし、大食いとか高所恐怖症とかの性格でもいいし、出身の裏設定でもいいし。その方がキャラクターに愛着がわくでしょ。個性的を出すために大げさな設定でもいいよ、アニメや小説で言ったら主人公グループになるわけだからね。(Tips5)

友人B :おーなるほど。

筆者  :あ、それと忘れていた、あと、それぞれのラッキーナンバーも6面ダイス3個で決めます。この数値は一発勝負でお願いします。それと、良かったら、それぞれのキャラクターシートにイラストを描いてくれてもいいよ。

一同  :ラッキーナンバーを決定するためにダイスを振り、キャラクターの名前や特徴を考える。また、それが決まった者は、キャラクターの顔イラストを描く。ワイワイ言いながら作業をしている間に、結構時間が経過していく。

筆者  :できたかな? 今回は初めての冒険だから、武器なんかの装備はこちらで決めときました。食料やロープなどの細かな装備は、冒険者セットとして持っているということで了解しといてください。細かいところにこだわりだすと切りがないしね。(Tips6)

一同  :了解でーす。

筆者  :魔法使いと僧侶を選んだ人は、今日使う魔法を選んでください。この世界では、自分が習得している魔法から、毎朝、今日使う魔法を選ぶようになっています。ただ、選ぶ上限は「コスト」として管理されているので、ルールブックを見ながら選んでください。あ、僧侶は魔法でなくて奇跡っていうんだった。

友人A :神の御業なわけだね、なるほど。

筆者  :みんなキャラクターができましたか。では、どんなキャラクターになったか紹介してください。

友人A :僕のキャラクターは僧侶のル・マン。能力値は筋力8(修正値-1)、知力13(+1)、素早さ13(+1)でHPは10。ラッキーナンバーはラッキー7です。特徴だけど、さる貴族の子息なんだけど、色々あって教会に預けられているという設定です。

友人C :一休さんみたいなご落胤っていうこと?

友人A :そこは色々と、ということで。(笑)

友人B :ふーん、なんか難しい特徴だな。俺の番か。俺のキャラクターは、戦士で名前はチョイス。能力値は筋力16(修正値+2)、知力6(-1)、素早さ5(-2)でHPが13。ラッキーナンバーは14。すまん、頭と素早さは任せた。それと、特徴は筋肉。

一同  :筋肉?

友人B :そう、戦士は筋肉!

筆者  :えーと、筋肉質で体格がいいってことでいいかな?

友人B :そうそう、背が高くてマッチョでお願いな。

筆者  :了解。最後は友人Cだね。

友人C :わたしのキャラクターは魔法使いで、名前はマリー。能力値は筋力11(修正値0)、知力15(+1)、素早さ13(+1)でHP6。ラッキーナンバーは11です。特徴はね、うふふ、綺麗。

一同  :綺麗?

友人C :大げさでもいいって言ってたよね? だから、ゲームのヒロインみたいに綺麗って特徴にしてみた。いいよね?(と、マスターを見る。)

筆者  :(思いがけない視線の強さに戸惑いながら)う、うん。もちろん。特徴は「可愛い」ね。

友人C :ちがうよ。「可愛い」じゃなくて「綺麗」。可愛い系でなくて美人系でお願いします。(Tips7)

筆者  :は、はい。わかりました。(苦笑) これは、いいメンバーがそろったなぁ。それぞれのキャラクターが出来上がったから、シナリオを始めますか。ゲーム中では、僕のことは、ゲームマスターか略してマスターて呼んでください。そして、お互いのことはキャラクター名で呼んでください。

マリー :なんか、少し恥ずかしいな。

チョイス:まぁ、内輪のゲームだからいいじゃん。ここはバカになろうぜ。

筆者  :そう。それ大事。あと、シナリオに入る前に大事なお約束です。テーブルトークRPGは会話で進めるゲームでゲームマスターが進行役なんだけど、プレイヤーが「さぁマスター俺たちを楽しませてくれ」っていう態度だと全く面白くないと思う。プレイヤーとマスターが共同でどんどん話を盛り上げていこうってスタイルでお願いします。(Tips8)

ル・マン:了解。受け身でなくて、積極的に行こうってことだね。

筆者  :もちろん、無口なキャラクターってのはありだけど、話にはどんどん乗ってきてほしい。みんなで楽しもうってことでお願いします。もちろん、プレイヤー同士でのけなし合いも無しでね。友達同士とはいえ、熱くなり過ぎてけんかになることもあるらしいから。(Tips9)

一同  :わかりました! 早くはじめようよ!

筆者  :では、お待たせしました。テーブルトークRPG始まります!

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