仲間を誘って初めてTRPGをプレイするとき、多くの場合は誘った当事者がGMを担当することになると思います。仲間がTRPGをプレイするのが初めてならば、自分がGMをするのも初めて。ダイスやルールブックは用意できたとして、もう一つTRPGに必要なものがあります。
それは「シナリオ」です。
TRPGを遊び仲間とプレイするのであれば、筆者が「GMのためのTips」で述べているように、上手くプレイしようとしたり、素晴らしいマスタリングをしようとしたりして、力む必要はありません。とはいえ、TRPGの性質上、プレイする前にGMがシナリオを用意することは必要です。GM初体験でシナリオなど作ったこともないし、どういうシナリオがいいのか見当もつかない場合、何が参考になるのでしょうか。
もっとも簡単で、しかも、今後の参考にもなるのが、ルールブック等にあらかじめ付属されているシナリオを活用することです。付属シナリオをプレイすると、そのルールブックの世界観がわかりやすいという利点もあります。また、システムに付属シナリオがない場合には、漫画や小説の一場面を流用することも可能です。もちろん、当サイトのリプレイシナリオを参考にしていただいても構いません。
なんどか既成シナリオでプレイしていると、きっと自分で話を作りたくなると思います。また、これは大事な点ですが、システムの方向性(バトル重視か世界観の再現性重視かなど)や、仲間内の興味の方向性(バトルでの爽快感を求める、キャラ同士の会話を楽しむなど)が見えてきます。それらを考慮に入れてシナリオを作れば、仲間に合った良いものができるでしょう。
シナリオの作り方、重視している点は、GMによりそれぞれ異なると思いますので、稿を改めて、筆者のものを幾つかお伝えしていきたいと考えています。
最後に一つ。
既成シナリオを使うときのコツですが、できるだけ前もってシナリオ全体に目を通してください。できれば、既成シナリオを参考にして自分でシナリオを作るぐらいまで読み込みたいところです。
なぜなら、PLが既成シナリオの筋道通りに行動するとは限らないからです。経験の豊富なGMならば、PLの行動に応じて柔軟にシナリオを組み立て直したり、あるいは、その場で全く違うシナリオを作っていくこともできるでしょう。しかし、初心者GMの場合はなかなかそうはいきません。プレイの流れを既成シナリオの流れに戻すためにも、また、そのあとで必要となる布石を忘れずに打っておくためにも、シナリオの一部始終を頭に入れておくことが必要になってくるのです。
難しい、と思われましたか?
いえいえ、これは、「こうした方がいいですよ」というアドバイスに過ぎません。このとおりにしないといけない、というものではありません。自分のマスタリングの参考の一つにしていただければいいのです。
PLも初心者ならばGMも初心者、みんなでシステムと既成シナリオとをにらめっこしながら、ワイワイとプレイするというのも決して悪いものではありません。あ、シナリオはPLに見せないでGMだけが見てくださいね。