ファンタジーRPGは、産業革命以前の中世ヨーロッパを下敷きにしたものが多いです。
今回は、RPG世界を冒険するのに欠かせない武器について、取り上げてみたいと思います。
武器の主な種類
RPGに登場する武器として主なものは、剣や槍、メイス(槌)などです。その材質は様々ですが、多くの場合、木⇒石⇒銅⇒鉄⇒鋼の順に登場します。もちろん、この順番で武器の威力が高くなると同時に、値段も高くなるということになります。
武器及び武器素材に求められる性質
・攻撃力
武器である以上、もっとも求められる性質は「攻撃力」です。駆け出しの冒険者では「攻撃力」が高くても値段が高い武器には手が出ませんし、同様に取り扱いに技量を要する武器も無理です。しかし、これらの要素(金、技量など)をクリアしたベテラン冒険者が最終的に重視することになるのは「攻撃力」です。
攻撃力は、上記のように、木⇒石⇒銅⇒鉄⇒鋼 の順で高くなります。これは、材質が硬い順です。材質が硬い方が、敵に攻撃が当たった時に、多くのダメージを与えられるだろうという整理です。多くの場合、これ以上の攻撃力を持つ武器には、何らかの銘(「ロトの剣」など)がついていたり、魔法による強化(ロングソード+1など)が与えられていたりします。
・取り扱いやすさ
攻撃力が高い武器でも、相手に命中しなければダメージを与えることはできません。
RPGでは、システムによって命中判定の考え方が異なります。武器の取り扱い技能を重視して、器用さで判定するものもあれば、重い武器を振り回す体力を重視して、筋力で判定するものもあります。また、これらを総合して、命中という能力値を設定しているものもあります。
いずれにしても、軽い武器の方が重い武器に比べて取り扱いやすいと考えられることから、攻撃力が同じであれば、軽い武器の方が有利でしょう。しかし、一般的な武器の材質を比較すると、軽いと言えるのは攻撃力の点で劣る木だけです。そのため、特殊な場合を除けば、武器の材質を考える際に、取り扱いやすさが考慮されることは稀と言えます。
・価格(素材の入手しやすさ)
多くのRPGではすぐにレベルが上がってしまうので忘れがちですが、武器が安価であるという点は非常に大切です。手元に武器がないことには何も始まりません。
その点では、近くに生えている木や、ある程度探せば武器に適したものが見つかるであろう石は優れています。反対に、銅や鉄などの金属製の武器は、材料を調達するのに技術と労力が必要なので、非常に高価なものになると考えられます。
・加工のしやすさ
価格と通じるところがありますが、材質の加工のしやすさもポイントです。木は比較的加工がしやすいですが、石は脆い素材であり剣などに加工するには不向きです。銅は鉄に比べて加工が容易ですが、鋼は鉄に比べて加工に技術が必要です。
次回以降のコラムで、各項目を少し掘り下げたいと思います。